これまでの説教

日本基督教団幕張教会 早乙女哲自牧師

2015年5月27日「裏切る者も共に」(マルコによる福音書14章10~21節)

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 前回(先々週)の聖書箇所は、1・2節に殺害の計画があり、3節からナルドの香油でした。今日の箇所最初の10・11節は1・2節と共にその間の記事を挟み込むサンドイッチ構造です。主イエスを殺そうとする人間の企みに挟まれて、ナルドの香油の出来事・行為を際立たせています。今日の箇所から最後の晩餐、主の晩餐の出来事です。まず、聖餐を制定なさる前に、主イエスは裏切りを予告します。
 12~16節。11章の最初のエルサレム入城にも似た記事ですが、やはり、主イエスは神の子だからその特別な力で分かっていたと読むことも、前もって約束していたと読むこともできます。17節は、この過越の食事が、主イエスと十二人の弟子たちだということを示します。18節からいよいよ、裏切りの予告です。18~21節。このことについて、今日は三つのことだけを申し上げましょう。まず第一に、ユダが裏切った理由は分かりません。マタイでは、お金のため、ルカでは「サタンが入った」と表現されていますが、マルコでは分かりません。様々な推測(例えばユダは、この世的なメシアを望んでいてそれを明らかにさせるためにやったなど)もありますが、分かりません。第二に、他の弟子たちのことです。心を痛め、代わる代わるに言います(19節)が、そこにあるのは、「もしかすると私が…」という不安(ぺトロの傲慢(29節以下)とは真逆の、しかし同じ弱さがここにあります)です。そして事実この弟子たちは主イエスが逮捕される時には、主イエスを見捨てて逃げてしまいます(50節)。第三に、ユダの救いについて。主イエスは、21節にありますように、大変厳しいことを仰います。しかし主イエスはこのユダのためにも、十字架にかかって死んで下さったのではないでしょうか。教会(私達主イエスの弟子たちの群れ)は、裏切る者も弱さの中にある者も切り捨てることはしません。主イエスが中心となる十二人の中にユダを選んだように。そしてその者のためにも、主イエスは死んで下さったのです。